ディストリビュータ編
(04年5月1日追加更新)



●ディストリビュータとは?


 上の画像でいうと,エンジンの後ろにくっついている,黄緑の装置のことです。
 ホンダ直5車は,この位置に付いています。
 なんとも・・・いかにも手が届きにくそうな場所です(笑)

 詳しい場所は,
 「プラグコード」をたどればわかります。
 コードの一方はエンジンヘッドに5箇所,点火プラグにつながっていますが,
 もう一方は・・・・エンジンルームの後部の「とある部品」に,5本とも繋がっています。
 この5本がくっつく部品こそ,デストリビュータです。

 なお,デストリビュータからもう一本コードが出ていますが,
 これはコイル&イグナイタ(本当の意味での点火装置)に繋がっています。




↑これは,デスビのOリングを交換しているところです。



↑これは,デスビからオイルが垂れている様子です・・・・


 このデストリビュータは,エンジンにとって重要なものであり,
 しかし同時にホンダ直5車の弱みとも言えます。
 (余談ですがVTECで有名なB型エンジンもデスビが弱点です・・・)
 新品で買うと2万数千円・・・・!!!
 この部品の正体と,その対策に迫ります。


その正体は・・・「火花用電気の切り替えスイッチ」
 ガソリンを爆発させるために,電気の火花をシリンダ内で飛ばしているのはご存じの通りです。
 この火花は,とても12Vで発生できるものではありません。
 そこで,イグナイタやコイルを使って数万Vにまで昇圧し,
 その特別な電気を使っています。

 しかし,この火花をいつも発生しているわけではありません。
 点火時期といって,必要なときだけ各気筒に電気を供給し,プラグから火花を飛ばしているのです。
 勿論,5気筒とも別々のタイミングで点火していますので,
 この点火時期に合わせて,欲しいときだけ使う装置が必要です。

 そこで出てくるのが,「ディストリビュータ」という,切り替えスイッチなのです。
 長い名前なので,ついつい略して「デスビ」と呼んでいますが・・・

 構造はいたってシンプルです。
 点火コイルから送られてきた数万Vの電気をもらい,それを各気筒につなぐだけです。
 エンジンのカムシャフトが回ると,一緒にスイッチも回転し,回るごとにスイッチが切り替えられる,
 という具合です。
 5気筒ですから,接点は5箇所あり,1回転すると5箇所をそれぞれ切り替えすることになるようです。

                 → 1番プラグ
                 → 2番プラグ
 点火コイル → デスビ → 3番プラグ
                 → 4番プラグ
                 → 5番プラグ

 ミニ四駆等に使われている,モーターを分解したことがあるでしょうか?
 比べると,結構この構造に似ています。 

 回転する動力はカムシャフト直づけですので一緒に回るだけですし,
 外部から大きな力がかかるわけでもありません。

 また,要するにスイッチなので,複雑な電子制御等とは無縁です。

 そんなにシンプルな部品なのに,どうしてここが弱点なのか?
 そのわけを,次の項目で採り上げます。


●デスビの問題@・・・接点不良


 構造がシンプルですが,要はエンジン回転に合わせて一緒に周り,
 せわしなくスイッチを入れ替えているわけです。

 となると・・・・
 長く使っていると,
接点不良・接点摩耗という問題が生じてきます。

 私もそうですが,
 ついつい
高価なエンジンプラグや高性能プラグコードが欲しくなりませんか?
 しかし,その「プラグコード」や「プラグ」に
届く前に,
 点火用の電気はすべて,デスビを通ってくるのです。

 デスビがダメになっていたら,これら効果アイテムだってその性能を発揮できるわけがありません。
 
 そこで,ディーラーでデスビをメンテナンスしてもらうことをお勧めします。
 「デスビの清掃点検」ということでお願いしてみてはいかがでしょうか。
 外し方は確かに面倒な点が多々ありますので,こういうときこそディーラーを頼ってみてください。
 金額が不安な場合は,一度見積もりをしてもらってください。
 交換を勧められた場合,言うまでも無いことですが理由をしっかり確かめる必要があります。
 (説明だけではなく,現物の状態を見せて頂くなど,なお一層勉強する姿勢も大事だと思います・・・)
 CB5といえば10万台を越えるほどのヒットモデル,おそらくディーラーであればデスビ関係の作業はどこでも経験があると思われます。クリオ・ベルノであれば販売していましたからなおのことです。
 見積もりするだけならタダですので,これを機会に足を運ばれることも大事かと思います。

 自分でデスビを脱着できる方は,外して分解&洗浄および接点復活という流れになるかと思います。


 なお,デスビの構成部品に
「デスビキャップ」というものがあります。
 ちょうど接点部分の片側にあたりますので,重要なチェックポイントです。

 デスビキャップは,CB5の場合,改良版が途中から採用されています。
 前期型にお乗りの方は,ついでに交換していただくと接点が新品にもなりますし,
 ひょっとしたら効果も体感できるかもしれません。
 お値段は部品代が1500円程度,工賃込みで6000円くらいだと思います。
 なお,CC2〜3・UA1〜2・CE4〜5の場合,既に改良版を最初から使っています。
 UA4・5に至っては,後で出てきますが「ダイレクトイグニッション」と言って,デスビがありません。


●デスビの問題A・・・整備性の悪さ

  御覧の通り,デスビの位置はエンジンルームのやや奥まった部分になります。
 プラグコードの取り外しだけでも,ちょっと面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
 当然ながら,デスビの脱着も,なかなか整備士泣かせだったりします。
 自分で作業を行う際は,取り付けボルトをすべて確実に回せるように,
 ある程度レンチ類を揃えておく必要があると思います。

 これに加え,後述しますが「オイルシール」「オイルパッキン」などと呼ばれる,直径2cmほどのOリングの取り付けも,またズレやすくてオイル漏れを引き起こしたりします。
 

●デスビの問題B
 「オイル漏れ」


このホンダ直5エンジンでは,特に年式の古いCB5で多発していますが,
デスビからエンジンオイル漏れが発生しやすいようです。
これは,私が4期生CB5に乗っていた2年間でも,都合2度ほどデスビ交換したほどです。

では,そのオイル漏れとは,どういった状況なのか?

私の偏見かも知れませんが,まず
デスビはエンジンの外にある装置なので,
そもそも,そんな装置のところまで
エンジンオイルが(エンジンから抜け出て)行くこと
それ自体が不思議ではないでしょうか?
このホンダ直5エンジンは,デスビの軸受けも潤滑されるよう,
わざわざエンジンオイルがそこに流れるよう流路が設けてあるのです。


普通一般のクルマにおいてはどうなのか?
・・・・私の知る限りでは,わざわざこんなスイッチまでオイルを回すようなエンジンはありません。
それだけ,駆動ロスを減らしたいという思いがホンダにあったのでしょうけども,
このオイルラインは幅3mm程度と細く,また1本しかないので
一度デスビに流れたオイルは,同じ道をたどってしかエンジンに戻ってこない
つまり,大量にオイルがデスビに押し寄せた場合,その抜け道はない,ということになります。

上の画像は,そのデスビを分解したものです。左右の画像は,そのデスビの表・裏になっています。
本来銀色の部品ですが,一部茶色の部分が見えると思います。言うまでもなく,これはエンジンオイルがきていた部分です。


下の画像がおわかりでしょうか。
このOリング2つが,デスビ内部に間違って流れ込まないよう,デスビとエンジンの間でせき止めています。


逆に言えば,このOリングで止めきれなかった場合,デスビ内にオイルが行ってしまい,
スイッチの接点がオイルで濡れてしまいますので,ひどいときは点火不良まで起こってしまいます。
ただでさえ,エンジンの熱で熱されたオイルです。それに常日頃からさらされているこのOリングが
まともに10年以上耐えてくれることは,きわめてまれのようです。

なお,間違ってデスビ内部まで行ってしまったオイルですが,
そのままデスビ外部に排出されます。
排出先は・・・・デスビから下に・・・・。
そこには,デスビ用に設けられた遮熱板があります。

再度でてきた画像ですが,今見ると「ああ,デスビの下の板に茶色いオイルが出てるなあ」
とわかると思います。
デスビから漏れたかどうかは,この遮熱板を見たり,指先で触ってみるとわかります。
この遮熱板,そういうオイル漏れ点検のために,いつも多少綺麗にしておくとわかりやすいですね。

更に,漏れたオイルが多量だった場合,遮熱板からさらに下・・・熱い熱い排気管(エキゾーストマニホールド)へご案内。
ちなみに排気管は,ちょっと水をかけても「ジュワッ」と即・蒸発するほどの熱さですので(笑),
オイルもまた然り・・・。あっという間に蒸発?し,白煙となってエンジンルームに立ちこめます。
その白煙がまたも多量だった場合,ボンネットの隙間から漏れだして,
「うわっ!!エンジンから白煙が出てる!!」
と,驚かされることになります。

また,これも意図的に設計したのかどうかわかりませんが,
白煙が立ち上ったところにちょうどエアコン外気導入口があります。
つまり,室内まで白煙の影響で,焦げ臭い,何かが焼けたような匂いとなって伝わっていくのです。

この修理についてですが,
おそらくどこのホンダディーラーでも,デスビオイル漏れの修理は行っていると思います。
部品は2〜3日と待たされませんし,私の場合は取り寄せるまでもなく在庫していました。
それほど,頻繁に起こったトラブルだととらえています。

そして,修理については,一番安く済む場合にはOリング2つの交換で済みますので,5000円もかかりません。
しかし,このOリングの交換は簡単そうで意外にうまくいかないことが多く,直ったはずなのにまたかよ!ということが
私は数度ありました。はめ込むときにちょっとコツがあるようで,失敗するとOリングがずれてしまうらしいです。
なお,また漏れた!というときは,私はしつこく通い詰めました。向こうも施工ミスということに気が付いたのか,
3回目から無料で直ってきました。
それと,一番最初は私の父がOリングを交換しましたが(その施工中の画像もありますね),
これが大失敗で,あっさり漏れ始めました。
ですから,作業する方の腕をあれこれ言えませんね・・・。

また,初めてここの修理をお願いする際,長年オイル漏れを煩ってきた可能性もあります。
そのときは,デスビの主要部品を一緒に交換せざるを得なくなるでしょう。
たとえば,デスビキャップ。1つ千円ちょっとの部品ですが,交換した方がよい,と診断されたら勿論従ってください。
何しろ,この部品は,同じCB5でも途中で2度ほど?改良されています。要交換=最新改良版入手というわけです。

それから,デスビ本体そのものの交換をすすめられることもあります。
正直,私もこう言われましたが,私は渋ってしまいました。
なぜなら,新品で2万数千円する部品だからです。
正確には,Oリング2つを交換しても完治しない,重傷の際に宣告されるようです。
私の場合は,もう少しマシなデスビを中古で入手(正確には解体屋でゲット)し,それで事なきを得ました。
金銭的に大変な場合,事前にヤフオク等で入手されておくとよいかもしれません。
CB5乗りの方は,まずご厄介になる部分です。



●デスビレス = ダイレクト・イグニッション
 ところで,いくら探してもエンジンルームにデスビが存在しない車も,だいぶ増えてきました。
 デスビがない,というところから,単に「デスビレス」と言うこともありますが,
 正式?には,
 「ダイレクト・イグニッション・システム」
 という呼び方が広まっているようです。
 これは,各気筒用に独立したコイルを設け,それぞれが独立したタイミングで電気を供給する方式です。
 コイルの場所は,詳しいことはよくわかっていませんが,プラグコードの途中に設けることもあるようです。

 私も勉強中ですので,詳しい構造等についてはサイト検索等でお探し頂くのが早いかと思います。

 実は,デスビレスの車種ですが,なんと!
 CB5が登場した頃にも,案外あることが判明しました。
 例えば,2代目レジェンド。
 そして,R32スカイライン。(←ということは,以後のスカイラインやローレルも?)

 インスパイアも,UA4・5になってデスビレス化しましたが,レジェンドがやっててなぜ?!とついつい思いたくなります(笑)。
 おそらく,コストとの兼ね合いがあるのではと,そう思うのですが・・・。

 よくよく調べてみましたら,後からデスビを廃する「デスビレス化」というチューンも存在することを知りました。
 その代表選手が,ご存じハチロク君です。

 チューン業界では,CDIとか,MDIという呼び方で広まっているようですが,何しろ10万円以上?する,高価なチューニングらしく,さすがに特定車種にしか用意されていないようです。

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