LEGEND TURBO

KA5 LEGEND TURBO

●概要

ホンダが量産したターボ車は,実に限られています。
シティターボ・シリーズ,2代目「Z」,ライフ・ダンク,バモス・ターボ。
そして,レジェンド・ターボ・・・・。

この希有なホンダターボエンジンを搭載する車として,よく着目されるレジェンドですが,
なぜ搭載したのか?
あるいは,「ウイングターボ」という名称は知っていても,その機構がどんなものか?
意外に知られていない,あるいは曲解されているケースがあるようです。
このコラムでは,私が実際にレジェンドターボに1ヶ月ほど乗っていた経験も含め,
そのあたりを御紹介していこうと思います。
●心臓
レジェンド用として,開発されたV6エンジン,「C型」。

●走り
●仕様
●注目点
●課題
●乗る際の注意点







初代レジェンドは、ちょっと見るとアコードと雰囲気が似ていますが、実はブリスターフェンダー(タイヤ周辺のボディがふくらませてある)であったり、ヘッドライト周りをメッキモールで演出したりと、多彩な作り込みがなされています。  


内装の作り込みは,今見ると多少の粗さがみえるものの,高級車らしさをなんとか演出しようと頑張っている面がうかがえます。
たとえば,内装を包む表皮は,革らしさを出そうとシワを付けているのですが,これがちょっとわざとらしい。
「手のひら」のような自然なシワではなく,「なんかちぢんだんじゃないの?」というかんじのシワなのです。
内装の色もちょっときつすぎる「赤紫」ですし・・・。
しかし,これをワックスで綺麗に磨き上げると,これがなかなかの雰囲気を醸し出すから不思議です。



なお,前期と後期でモールというかフロントグリルが全然違います。
ちなみに↓これは後期型。一般的な高級車らしく,大型化&メッキを主張したグリル。


また,インスパイアは室内がやや狭く感じるくらいですが,実はこのレジェンドは同じ5ナンバーサイズでありながら非常に広く感じます。 

まず室内幅が広い!なぜならドア厚が薄いから。

まるで軽自動車かと思うくらい薄く,軽いドアなのです (よって,少々ドア音がやすっぽいかんじです)  

それから,アコードとは比較にならないくらい,静粛性に優れています。
セルシオと比べるのは酷かとは思いますが,これまた静かなV6エンジンの「ヒュイーン」というサウンドが聞こえてくるくらいですから,ちょっとした驚きです。かなり消音に力を入れたのではと思われます。 
また,このV6エンジン,驚くことに,横置きにもかかわらず等長エキマニ標準装備!!
道理で,スムースな排気音になるわけです。V6エンジンの多くは排気干渉による「ドロドロ」音が出がちなのですが(
←純正では消音していますが社外マフラーに交換したりすると如実に現れます),これは独特のスムースさです。
個人的には,この排気音が非常に気に入っており,さすがはホンダ最高級と感心したものです。


あと,トランクレバーですが,なんとドアにあります・・・
これで何度レバーを探したことか(笑)


ところで,僕の乗ることができたのは,あの「ウイングターボ」。
父の愛車の1台(もう1台,2700クーペもある・・・・)です。

正直言って足回りやボディは経年変化によるヘタリが大きすぎて参考にならなかったのですが,特筆すべきはもちろん,希少なホンダターボエンジン。

190PSということですが,最高出力と言うよりは実に中速トルクが太く,2000rpmあたりでクッと前進する力が得られて,
2500rpmあたりからターボパワーがググッと効き始めてグングン回っていきます。

しかし2000rpmまでのトルクは,細いと言われるCB5インスパイアよりも更に細くて加速しません。1速落としたくなるほどです。
のる人にもよるのでしょうが,2500〜3000rpmを常用する物と思われます。
体感はしていませんが,逆に高速道路ではかなり面白いと思います。この回転域を常用すると思うからです。



それでも,ドッカンターボとは根本的に違います。
一旦ターボが効くと,あとは大排気量NAのような分厚くフラットなトルクが持続してくれます。
その調子で,いざメーターに目をやると,とんでもない回転数まで針が回っていることに気づくほどです。
エンジン音も,独特のスムースな,まるでビッグバイクのような音で盛り上がっていき,いつの間にかレーシングカーのようなサウンドに変わっているのです。それもうるさすぎず,音質だけが変化している・・・・このサウンドのためにこの車に乗ってもいいほどです。
加えて,この車はターボの回る音なのか,エンジンの「ヒュアアアア」に混じって「シュオオオオ」という吸気音?が伝わってきます。これはちょっとスポーツカーの領域です・・・。あくまで音量は抑え気味で,それでいてこんな体の芯を熱くさせるような感じは,ちょっと他の車にはないものです。
(直5フリークでありながら,このHPを始めようと思ったきっかけと言っても過言ではありません)



一度だけ,全開でゼロ発進をしたことがありますが,これがすごい。
軽くホイルスピンを伴いながら加速・・・・って,FFターボなのになんでこれしかホイルスピンをしないの?
・・・・実は,重量配分がかなりフロントヘビーで,65:35というもの。これが発進時に功を奏するのかもしれません。
とにかく,レッドゾーンまで存分に回したくなるエンジンです。リヤサスがへたっているのか,バネしか付いていないような不安定さであることを除けば,コーナリングもなかなか安定した姿勢です。柔らかい足のはずなのに,沈み込みが思ったより小さいのが印象的。


ここで,ちょっとした挙動について。
私は縦置きエンジンFFのCB5に乗り慣れているせいか,妙に気になるのが「シフトショック」。
ATシフトそのものは,レバーを動かしたときのなめらかさと節度が素晴らしく,高級車であることを感じさせてくれます。これはCB5には真似の出来ない部分だと思います。「高価な金庫のダイヤルを回しているかのような」・・・・表現が今一つですが,そんな印象です。
しかし,先に挙げました,その後のシフトショックがちょっと・・・。パーキングからDに入れたときに,ボディが「ごとっ」と揺れ動くのです。
シフトレバーのフィーリングが素晴らしいだけに,「ありゃりゃ」とちょっと拍子抜け。
ミッションがショックを生み出しているというよりも,横置きエンジンが前後に大きく揺れ動いているかのような,そんな印象です。
これは走行中のシフトチェンジでも同様で,大きいわけではないのですが確実にショックが伝わってくるのです。
更に,スピードを落として自動的にシフトダウンしたときも,これは発生します。
単純に,エンジンマウントが劣化しているだけなのかもしれませんが・・・。


ただし,個人にはインスパイアのNA5気筒のほうが,低回転の通常走行ではピックアップは良く面白いと思います。トルクではなく,下り坂を走っているかのようなスムースな加速感。フラットではあるもののトルクで引っ張るレジェンドとは一線を画します。

なお,燃費はエンジンの回し方にかなり左右されます。
ずいぶん頑張ってターボの恩恵のない2000rpmまでで我慢の走りをしても,8kmちょいというところでした。
もっとも,CB5も燃費は似たようなものですが・・・。

最後に,非常に気になるのが,ステアフィール。
ステアが大きく,しかも異様と言いたくなるほどに軽い。
CB5もかなり軽い方ですが,それと比べものにならないほど・・・・スタッドレスを履いているかのようです。
このため,どんなときも両手をステアに添えようという気にはなりません。右手の指2本で事足ります。
逆に,高速走行に移行すると,あまりに手応えがないので,アイスバーンを走っているかのような,ステアとタイヤが直結していないような不安に駆られます。また,コーナリングで攻めようという気にもなりにくい印象です。
もっとも,慣れの問題かもしれませんが・・・。


(1/26 vigor2000)

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